不意に優しく笑った先輩に胸がキュンと狭くなった。





初めて会ったときから、先輩は変わらないね────。






***



これは、先輩と出会った2ヶ月前のこと。





もともと本が好きなわたしは、放課後図書室に新しく入荷した小説を借りに行っていた。





でもその小説は棚の1番上にあって、わたしには届かないところにあった。





そんな時。



横からスッと手が伸びてきて、



「これでいい?」





隣から綺麗な声が降ってきた。