家に着くと彼は気まずさなどまっさら無しに服を脱ぎ始めた。

「えっ、ちょっと!」

とか言いつつ指の隙間から彼の体を見てしまう私…(変態か)


「俺のいない間どうしてた?」

割とあっさり聞いてくる彼。

これと言って何も変化が無かった私は
あっさり返した。

やはり、少し緊張する。

当分の間会っていなかったのもあるし
なんか、大人になっていたから。

頭から足の先まで、本当に別人。


5年で人間の著しい成長を実感した。

それに対して、私。

何か変わったかな?

髪型、体型、声、服装、性格。

きっと髪型と服装くらいじゃないかな。


「彼女いるの?」


ちょっと…自分でも何聞いてるかわけがわからなかった。

でも自分で自分を止められなかった。


「さぁな」

またあっさり返された。

彼は5年間で見た目はかなり変わってしまった。

だけど、

「お前はどうせジャニーズと結婚するとか言ってんだろ」

そう笑いながら言う彼は、5年前もずっと一緒にいる頃から変わらないあの時のままだった。


くだらない話をしているうちに、外はオレンジ色になっていた。

「ご飯食べに行くわよ」

ドハのお母さんは韓国人。

お父さんが日本人だ。

お父さんは警察官でなかなか帰ってこない。ドハが韓国に行っている間も日本で仕事をしていた。

お兄ちゃんが一人いるが、お兄ちゃんは今徴兵に行っている。

ドハとは違って優しくて、かっこよくて、私にとっても本当のお兄ちゃんみたいな存在。

私と私の弟もよく可愛がってくれた。

元気かな…お父さんもお兄ちゃんも。


私の家族と合流し、レストランへ。


懐かしい話、恥ずかしい小さい頃の話、韓国での事、そして、ドハの事。


ドハはもくもくと食べたいたけど、

何回も目が合う度に私から逸らしてしまった。

何だろう…。恥ずかしいというか、本当に別人過ぎて、馴れないのだ。


すると、ドハが立ち上がり、

「俺、準備あるから帰ります」

そう言って出て行こうとした。

待って!そう心の中では思っていたが、性格上言葉には出来ず。


ドアの前で立ち止まり振り返ると、

ジェスチャーしながら
(来い!)
と言っていた。

細かく、うんうんと頷いて走って行った。