次の日は昼休みになっても彼女は学校に来なかった。
昼休み、購買で買ったメロンパンとバナナ・オレを持って屋上に行ったら、先客がいた。
その人物は体を横になり、寝ているようだった。
ゆっくり覗いて見ると、彼女だった。
腕を枕代わりにし、気持ちよさそうにすやすや眠っている。
俺は昨日のことがあるので、慎重に起こさないように移動し、静かに昼食を摂ろうとした。
しかし、また彼女はパチリと覚醒した。
「………あ、おはよう…ございます…?」
「パン…?」
俺の疑問まじりの挨拶は無視して呟いた。
彼女があまりにもじーとパンを見ているので、
「あ、パン…ほしい…?」
こくん
無言で頷くと座ったまま俺のところに来てパンを受け取り、もぐもぐ食べ始めた。
じー
彼女の目線を辿るとバナナ・オレ。
「これ、飲む?」
こくこく
「どうぞ…」
「キャー!バナナ、大好きー!!ありがとー!」
半ば無理矢理奪い取るとごくごく飲む。
今日は何だか子供っぽくて愛らしい。
あどけなさがあり、いつもとは違う雰囲気を醸し出している。
寝起きだからというのもあるかもしれないが。
本当に彼女は不思議だ。