「よーし、この問題を風見(かざみ)解いてみろ」 「はい」 俺は席を立ち、黒板の前まで行くとすらすらと難しい問題を解いた。 「正解だ」 周りからのパラパラという気のない拍手を聞きながら席についた。 ふと、窓の方向を見ると自然と窓際の一番後ろの席も目につく。 今日も空席のままの席。 日の光に照らされて心無しか寂しそうに見えた。