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「新垣さん、まだお風呂入ってないじゃないですか」
膝上の私を離さず、甘えるように身を寄せる彼に待ったをする。
「仕事の疲れも、雨音を抱いていればなくなるよ」
私で充電する彼。
かくいう私も、彼で充電しているようなものだが。
「きちんと休まなきゃ駄目ですよ。仕事の疲れはその日の内に、ぐっすりと寝てーー仕事の疲れ、疲れは寝て、このままぐっすりと寝て、永遠に起きなければいいなと思う反面、夢の中でも仕事して、タイピングして、タイピングが子守唄にして目覚ましになる矛盾の中、ただただ仕事して、夢も現実かも分からないほど仕事に没頭して、もう一生寝続けたいのに、仕事に行かなきゃと目を覚ましたと思ったらそれも夢で、生きる意味を考える前に、強制的に仕事が生きる意味、生き甲斐にされーー違う、そう思いこまなきゃやっていけない、規則正しく仕事を、休日出勤もサービス残業も、ぜんぶひっくるめて仕事、生き甲斐、生き甲斐に、ノルマをこなして、のる、のるま、のろ、呪われろおおぉ!」
「休もうか、雨音」
※ふとした瞬間に再発する特殊な病気が。