ーー
「……」
「どうしたの?雨音」
ソファーで、仕事の資料に目を通す彼の前に立つ。
仕事の邪魔をしちゃいけないのだけど、今の私にとってはそれどころではなかった。
スタンダップ!の意味と勢いを見事に再現したジェスチャーをする。やった後に、出てこいやぁの台詞も合うジェスチャーだと気付いた。
もっとも彼は、勘違いすることもなく、立ち上がってくれる。
私より高い身長。私が低すぎるわけではない、彼が高いんだ。180超えているだろう。
「なに、してくれるの?」
にこにこ顔な彼。
聞いているわりには、これからの展開を分かりきっている顔だった。
彼の首に腕を回す。背伸びして、首筋と頬に軽めのキスをした。
胸板に頬ずりをし、匂いもかいでおく、ボタンを外したはだけたシャツから見える鎖骨を指で撫でて、息を吹きかけてみる。
イメージとしては、猫。
喉からゴロゴロ言えそう。
「俺だけにしてよ、こういうことは」
「新垣さんだから、するんですよー」
※彼女も甘えたくなるんです。