「こぉぉおら!!

つぐみさん!!
チカを離しなさい!!」

売り場に様子を見に来た
佐々 新が状況に気づき、
必死で、
私に抱きつくつぐみさんを
引き剥がそうとした。

「だって、チカちゃんかわいいんだもん!つぐみ、チカちゃん欲しい!」

レジ前で勢いよく抱きつかれ、
カウンター下に尻もちをついた。

佐々 新が参入し、
外からは見えないが、
レジカウンター下は
修羅場と化している。


「きゃっ!!
チカちゃん、おっぱい大きくて柔らかーい!!」

つぐみさんが胸に頬を寄せてきた。

本当に愛らしい人だな。
何故か嫌な気がしない。


「いっ!!いい加減にしなさい!!
俺だってまだ触ってないんですよ?
我慢してるってのに!!」
佐々 新が
つぐみさんの頭を張り手で引き剥がそうとした。


「いたっ!いたた!
やめな新!!
男のヤキモチはかっこ悪いよ!!」
つぐみさんは、
佐々 新の髪を引っ張った。


後ろからは、
佐々 新が腰に手を回し、
私に抱きつく形で引き剥がそうとしてる。

前からは、
つぐみさんに押し倒される形で
抱きつかれ動けない。

そして、
私を挟んで
2人は掴み合いのケンカをしてる。

私はパニックで、
つぐみさんを見たり、佐々 新を見たり
するしか出来ない。


「くそっ!!
つぐみさん、最終手段です!!


良さああああん!!
良さん!!つぐみさんが言うことをききませーん!!」

恐らく普段は、
大声を出さない佐々 新が
めいいっぱい叫んだのだった。