「行ってきます」

ドアをして、ゆっくりと歩く。
兄はいつも走ってバス停に行くらしく余裕なようだ。

「私は走りたくないし…」

眠いなぁ…結局気になってあまり眠れなかった。

「おはよー!」

耳がキーンとなりそうな大きな声で千夏は私の肩をポンと叩いた。

「おはよー!千夏!」

朝は眠いし、憂鬱だが友達と会うと、何もかも忘れられる。

「もう!佳奈は女の子なんだからちゃんと寝癖治さなきゃだめだよ?」

折りたたみのクシをポーチから取り出し私の髪をとかす。

人に髪をとかされるとなんだかくすぐったくてけど、気持ち良くて眠くなってしまう。