兄も千夏も何を言っているんだかわからない。私はいったって普通だし、何も変化などない。

きっと初恋を少し意識していて、ほんと少しだけまた一年だけでも一緒の学校に行けるのが嬉しいだけなんと思う。

…けしてこれは恋なんかではない。
自分の頭に言い聞かせた。

そして、千夏に電話をする。

『もしーもーし?佳奈ー?』

『そうだよー!』
ベッドにダイブしながらも話を続ける。

たわいのない話をして笑っていると

『んで、どうなの?やっぱり有輝さんのことまた好きになっちゃった?』

いきなりの直球な質問で私は少し焦った。

『いやいや、これは恋なんかじゃないっって』

首を振りながらも冷や汗をかき質問にはっきりと答える。