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「ではでは、僕から」


おっほん、とわざとらしく席をした瞳。



「そーゆうのいいから、さっさと進めて。
今にも逃げ出しそうなんだから」


「うー」


庵が言っているのは、多分王祇―瞳曰くおーちゃん―のこと。



基本的に王祇は寝ていることが多い。


雑用をしてることも多々だが。



「奥田瞳…呼び方はお好きなようにどうぞーだよぉ」


「おいおい…」



庵の言葉が相当深く刺さったのか、テンションが異様に低い。


これでよく派手な喧嘩が起きないよな。


…しっかりとした格差がこの場に成立しているから、だとでも思っておこう。



「オレ、吉乃善な。テキトーによろしくしてよ、姫さん」



よろしく、とは口先だけで、顔は合わせようとしないし、笑顔もない。



あまり騒いでいないだけで、実は1番“姫”の存在を否定してるんじゃないか?