「朔さんと理事長がなんで一緒に!?」
善のすぐ隣にいた瞳が固まっていた表情を変える。
代わりに聞いてきたのか…もしくは興味。
「途中でひ…会ったから連れてきた。姫から目ぇ離すなよ」
「すいません」
反省の色が全く見えない庵に苛ついてみたり。
ふと忍を見やると、その後ろに背後霊…動かない雪火が突っ立っていた。
まるで客みたいだ。
仮にも理事長って立場なはずなのに。
何をそんなに躊躇うんだよ、一番の権力を持っているのに。
忍は…話しかけない方が良さそうだった。
いくらなんでも気まず過ぎるだろ…俺も、こいつらも。
「座ってください、朔さんと理事長!忍ちゃんもだよー」
「俺たちまだ姫のこと知らねぇしなぁ」
「忍…逃げんのはやすぎだ」
善の言葉に呆れて呟けば、殺気とともに溝うちをくらってしまった。
いてぇ…
死んだらどうしてくれる…いや、このくらいじゃ死なないが、当たりどころが悪くて、ってこともあるだろう。
せめて予告してからにしてほしい。