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コツコツ、と廊下に響く足音。
がやがやとした教室はなく、どことなく孤独を感じる。
『こいつをな。預けに来たんだよ、お前らに』
いまだにあの言葉を上手く飲み込めていない。
突然すぎる。さっきまで俺が守るって言ってた。だから信じた。
信じた罰がコレならば、これから私は何を信じればいいんだろうか。
味方のいないこの場所でどうやって過ごしていけというのか。
『…俺はかまわない』
あの男。
トップの雰囲気を纏ったあの男が、きっと雪火の弟だ。
仲が悪いとは聞いていたけれど、あそこまでとは思わなかった。
雪火はその事について軽く話していて、特に深くは考えていないようで、だから私も、そこまで重くは考えていなかった。
でも、弟はそうじゃないんだろう。
雪火の弟の兄を見る目には、常に闘争心のようなものがあって。
───毎度毎度何を争っているのかは予想もつかないけど。