「会長……」

鼎先輩が引っ張り出したのは、会長だった。


気まずい……。

そんな雰囲気が嫌で、私は逃げよとした。

「待て」

ガッシリと会長に腕を掴まれる。

「……悪かった」

突然、会長が言った。

「えっ……?」

突然の事で、よくわからず聞き返してしまった。

「だから、悪かった!!」

もう一度、会長が謝った。

会長の顔を見ると、真っ赤だった。

「アハハ…」

そんな会長を見ていると、笑えてきた。

「いいですよ」

なんか、馬鹿らしくなってきた……。
私がそう言うと、会長の顔がパッと明るくなった。

「そうか……」

会長は安心した様にそう言った。