「他人の弱みを握っておくだけですよ?」

サラリと言っているが、大分えげつない気がします…。

「そーいえば、鼎先輩、いませんね」

さっきから、見ていない。

「心配しなくても大丈夫ですよ。夏樹はこの辺で有名な不良ですから。『紅蓮』って聞いた事あるでしょう? それ、夏樹です」

以外。紅蓮っていうのは、1年前ぐらいに族潰しで有名になった人物。
鼎先輩だったんだ…。


「夏樹もおっかねぇよな。男女関係なく殴るから」

やっちゃ駄目だろう……、それ。

「そろそろ、終わりますね」

皆川先輩がそう言った。

この時、私たちは、油断していた。
後ろに迫り来る影にきずかなかったのだから……。