相楽さんは、拳を震わせている。着用している白い手袋からは、血が滲んでいた。

「あの時、真奈様に連絡してしまったのは私です。私が真奈様を殺してしまったんです……!!」

相楽さんは悔しそうに顔を歪めた。

「だから私は、魅夜様に優しくすることなんて出来ないんですよ……!!」

「………」

「………」

俺たちは、声を出すことが出来なかった。

何て言ったらいいのか解らなかったから。

そんな中、

「……相楽、もう許してやれよ」

低い、男の声が聞こえた。

「…咲也」

咲也と呼ばれた男の人は、どんどん近づいてくる。