「嶺上花 麗桜は前、理事長の嶺上花 紅玉(こくぎょく)さんの孫だ。」


「紅玉…?女性の方なんですか?」


京雅の言った言葉に真琴が問う。


「あぁ…。女性理事長だったんだ。とても厳しい方でな…。」


「お辞めになられたのですか?」


「違うよ。病死してしまったんだ。」


拓馬が言う。


「そう…だったんですか……」


〝コンコン〝


部屋がしんみりしたときドアがノックされた。


「はい?」


京雅が返事をする。


「あの…私…ナイトの比良田 万桜(ひらた まお)と申します…。」


ドア越しから小さな声が聞こえる。


「ナイト?」


拓馬が眉をひそめる。