「あの…叔父さん。」


聖十が真剣な顔で口を開いた。


「なんだい?聖十。」


「あの…頼みがあるんです…。」


「言ってごらん?」


「俺はバイトをしてて……大学の寮で生活ができます。だけど真琴はまだ…。」


「お兄ちゃん…わ、私一人でも大丈夫だよ!!学校辞めてバイトするし!!」


これでも私はお兄ちゃんを気遣ったつもり…だった。


「何言ってるんだよ!!この世の中高校でないと雇ってもらえないんだぞ!?それを高校辞めるなんて…っ!!母さんたちが知ったらどう顔向けすればいいんだよ!!」


〝ビクッ…!!〝


初めて兄の怒った姿に驚いて体が固まる。