そう他愛もない話をしている扉が開いた。
「お待たせしてしまい申し訳ありません、相模 聖十さん。」
京雅が帰ってきたのだ。
「いえ、押しかけたのはこちらなのでお気になさらず。」
そういって握手する二人。
「あ…。」
(思い出した。そういえばこの二人結構仲悪いんだよね…)
結婚報告のため相模家に挨拶に行った際、京雅は兄、聖十に対し、敵対心を覚え真琴のどこかに必ず触れていた。
ある意味のシスコン聖十はそれを見るたび赤を赤らめ怒っていた。
「ところでお兄さんにはうちの〝妻〝の相手をしていただきありがとうございます。」
「いえいえ、こちらこそ〝妹〝がお世話になっています。〝妹〝からはとても楽しく過ごしていると聞いています。」
「もちろんです。お兄さんから預からせていただいた大切な〝妻〝ですから。」
(どす黒い笑顔が二人とも見えてるよ…)