「ただでさえ古くから続く名家を継ぐからね、その子には大変だよ~」
月陽がうんうんと自分でうなずく。
「ところで…月陽ちゃん。」
「ん?」
「その段ダンボール何?」
真琴は編み物の手を止め段ボールを指さす。
「あぁ…これ?これはもう賞状とか置けないから月琉と部屋別れて別々の部屋に移るための引っ越し!」
「へぇ…すごいもんね月陽ちゃん。じゃぁ、月琉ちゃんも?」
「いえ…私はそのままです。月陽と別れるのは少しさみしいですが学校も同じなので我慢します。」
(本当に仲良しだなぁ…)
この家の珍しいところは引っ越しなど使用人に任せないこと。
自分のことは自分で解決をするところだ。