屋上で携帯ゲームをしながら時間を潰し、やっとの思いで放課後になった。

帰る準備をして昇降口へ急ぐ。
だって、アイツのとこ行きたくないし。
誰が行くか。

だから、見つかる前に学校を出ないと。


下駄箱から靴を取りだそうと開けたとき、妙な視線を感じる。
振り向いてみると、微笑んでいるコイツ‥蓮斗の姿が居た。

心臓に悪いな。

「‥何してんの?」

あくまで笑顔を崩さずにあたしに問い掛けた。

「‥‥帰る準備」
「へえ」

数秒の沈黙が続く。
オマエ、怖ェよ。
その顔鏡に映して見せてやりたい。


「俺言ったよね?」
「ああ。『放課後、図書室』ってそーいや言ってたな」
こっちだって事情あんだから、本人から了承の意を聞けよ。
この俺様め。

「何で来ないの」
「面倒くさいから」


またまた沈黙が流れる。
いや、本当の事だし。