「ただいま」

母親が作ってあったのか、ラップで包まれている昼食を済ませ、自室に戻る。

ベッドに横たわりながらゲームをしていると、知り合いのミサキからメールが届いた。

『朝からずっとみんなでゲーセンなう~☆
 あすかちんもおいでおいで~!
 待ってるネ』

‥めんどくさい。
ミサキら入学式も行かないでたむろってたのかよ。

しょうがない、行くか。



最近新装された、広いゲームセンターが目の前にそびえ立っている。

ゲームセンター特有の雑音やタバコの香りが鼻腔をくすぐり、ずかずかと入っていく。

適当にほっつき歩いていると、UFOキャッチャーに精を出している、ジャージを着たミサキの姿が。
「んむぅー‥‥あ! あすかちん!」
「お前、入学初日からサボりかよ」

「私のとこは明日なんですぅーだっ!!」
舌を出し、あっかんべーの顔をするミサキ。

「どっちにしろ行かないけどぉ~」
グラデーションのように金髪に染めた毛先を指で弄りながら、再びゲームの操作をする。

「もーう! ぬいぐるみ取れなーい! あすかちんたすけて~」
「知るか」
「ひっどーいっ」