私はようやく理解した。


私は耳が聞こえなくなったんだって…………。

口をパクパクさせていたのではなく、


私が聞こえないせいで先生が話しているのが分からず、
勝手に思い込んでいただけだった。


先生は顔を真っ青にして飛び出していったあと直に戻ってきた。

私はされるがままに精密検査を受けた。

どうやら、海水が入ったのと体温低下の影響で耳が聞こえなくなったらしい。

そして、さらに衝撃だったのは
「ご両親は亡くなった。」


震える字で紙に書いてあった。


私は一人ぼっちになっちゃった。
そう感じざる負えなかった。

耳は聴こえなくて、
大好きなお父さんお母さんさえ奪われた。

そして、希望であったピアノも音が聞こえないんだから楽しめない。


なにもかも失った、何か孤独な空間にひとりポツンといる気分だった。

こんなモノクロな世界をみるのは初めてだった。

死にたい

その一言だけだ脳にたくさん浮かんできた