「いや、そうゆうわけじゃ」

祐も言っちゃダメだってわかってるから口を濁らしている。

このままだと祐が……

「違いますよ?このピアスは補聴器です。
これがないと、聞こえないし話せません。
理由を知らなかったとはいえ、理事長を最低と言わないで下さい」

最後の方は口調が強くなってしまった

あーあ、こんな感情的になるつもりじゃなかったのにな……


「ひぃ……補聴器!
だからさっき外したとき無視してたんだな
すまなかった」

怯えてるせいか、案外あっさりと補聴器だって分かってくれた。

さっき返事返さず困惑してる表情見て言われたら流石に分かるか。


職員室にいた人達が、謝ってきた。

それと同時に、可哀想にという眼差しも向けてきた。

同情された
なにもわかってないくせに
嬉しくもない
だから言うの嫌だったんだよね


「その可哀想って目一番ムカつくんだけど?
だから言いたくなかったのに
あと、このことは他言無用だ。わかったな?」

「「は、はい、」」

久しぶりにきれちゃた
先生だいぶ怯えちゃった

まあ、言うこと言ったからいっかな