「じゃあ、渚はどうなの?」
「え?なにが?」
「渚は好きな人とかいないの?」
「いるよ」
渚はそう平然と言って、私を見つめてくる。
「え?」
「いるよ。好きな人くらい」
そういって、普通に弁当の最後の一口を食べ終わった渚。
いつもなら、弁当を食べ終わる速さに感動しただろうが、今はそれよりも……
「何で言ってくれないの?」
「だって、聞かれなかったし」
「そりゃあ……」
そうだ。
聞かれなきゃ、言わないよなーたしかに。
「で?誰なの?」
「優愛の知っている人だよ」
「……え?私の知っている人?」
「うん。そう。その人は私のことを好きじゃない」
そういって、少し悲しげな顔になった渚。
「……もしかして、私に告白してきた誰かだったり……?」
私がそう、恐る恐るいうと、コクンと首を縦に振った渚。
あっちゃー。
マジですか。
渚さん。
「幼馴染なの。カズくんとは」
「カズくん?」
「相川和昇(アイカワ カズノリ)」
名前を聞いてピンと来た。