俺は続けて言う。


「でも、猛に伝えるべきなんじゃないか…っても思った。

この話には続きがあるんだ。」


「…?」


「倉田の支えになってたもう一人の存在を忘れてないか?」


「あっ、そういえば…」




「それは猛、お前だったんだ。」




「は!?俺!?」


「まだチビだったころ、猛が倉田に言った言葉…『俺、バスケ大好き!2人でプロ目指そうな!』って言ったらしいけど、覚えてる?」


「…なんとなく。」


猛は戸惑っている。


「倉田はいつも中学生の頃、夜遅くに帰ってきて疲れているはずなのに、それでもなお家に備え付けてあったゴールに毎日夜遅くまで向き合って練習している姿を見て勇気をもらってたらしいぜ?

『自分の夢は絶たれたけど、猛はこんなにも頑張ってる。私の分まで楽しんでほしいな。』って思いながら。

確かに倉田、嬉しかっただろうな。」


「……」