相園の家は、言われたとおり5分ほどで着いた。

『相園』と書かれた表札が掲げてある。


「送ってくれてありがとう!」

「ああいいよ。じゃあ!また明日!」


そう言って手を振ろうとした瞬間、家のドアが開いた。


「なつめおかえり。遅かったじゃない。

…あら、クラスメイト?」

「ごめん、今日から部活見学なの。
あっ、こっちは ゆう!送ってくれたの!」

「あっ、本城悠斗といいます。」







「ゆ、う……?」













相園の母親の様子が変だ。

目を見開いて、ずっと沈黙が続いている。


それを破ったのは、相園だった。




「ち、違うよ!? ゆうは彼氏じゃないからね!?」




相園の母親は、やっと我に返った様子で、


「あっ、そうなのねー!本城くん、送ってくれてありがとう!本城くんも、気をつけて帰ってね!」

「あっ、はい!
じゃあな、相園!」

「ばいばーい!」