~見学終了~


「猛、俺さ、バスケ部入ろうと思う。」


俺は更衣室で着替えながら猛にそう告げた。


今日の練習もなにげに楽しかったし、何より俺の、この無駄に高い身長をこの競技に生かせるかなと思ったからだ。


「おお!マジか!お互い頑張ろうぜ!

…それはさ、そう決めたのはさ、なつめちゃんがマネージャーになるからか?」

「はっ!?」


相園は、先輩マネージャーに気に入られ、本人もやる気でマネージャーになることを決めたらしい。


「いや、違うよ!あくまで俺の意思で決めたことだ!」

「そうなのか?俺、てっきり悠斗はなつめちゃんのこと好きだって思ってたんだけどなー!」


「それはっ…!」



…それは、半分ホントで半分ウソ。


俺が追い求めているのは、相園にそっくりな『みどり』。


彼女を見てみどりのことを思い起こしてる俺って、最低なのかもしれない。


好きな人に似てるからお前のこと気になってるとか、とても本人の前で言えたことじゃない―――