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入学式終了後、教室で猛と話していた。


「なつめちゃんだ!」


相園なつめの周りには、たくさんの女子生徒。


「いいなーなつめちゃん、ハーレムじゃねえか。俺も混ざりたいぜ。」

「………」

「ん?どうした悠斗。お前もか?やっぱり混ざりたいか?」

「猛はさ、『世界には自分と同じ顔の人間が3人いる』って信じる?」

「なんだよいきなり…
俺は信じるかな。
ていうかどうしてそんなこと聞くんだよ」

「それがさ―――」

「はぁ~っ、疲れた!!」


相園なつめが、自分の席に座った。

「お!遅刻魔さんだ!」

「あのさあ!遅刻してないよ!ギリギリセーフだし!」


プウッと頬を膨らませる。


「俺、笹川 猛!たけるって呼んでくれ!」

「私も、なつめでいいよ!
――君は?」

「……えっ、俺?」