目を開くと、真っ白の天井。
右手に温もりを感じ、目を向けると夢斗が…手を握っていた。

「む、夢斗っ//なんでに、握ってるの?」

「起きたか?大丈夫なのか?お前、体育の時急に倒れて…手は、なんとなく心配だったから…握っただけだ、」

えっ///ずっと握っててくれたの…。

「ありがとう…あのさ、ここまで誰が連れてきてくれたの?」

「俺だけど。」

「え、じゃあどうやっ…て…?」

手に汗がにじむのがわかった。

「抱っこ。」

うひゃああ!!!!

「ごめん!重かったよね…ほんとにごめん!!」

恥ずかしい…重いのに…無理して運んでくれたんだ…

「は?お前何言ってんの?全然重くなかったし、もっと食え。だからそんなひょろひょろなんだよ。今度、飯連れてってやるよ。」

「ほんとにっ!?やった!嬉しい!ありがとう!!!夢斗!」

私はすごく嬉しくなって笑顔になった。
すると夢斗が、

「お前さ、好きなやついんの?」

と、聞いてきた。

はっ?なんでいきなり…//

「い、いるよ。」

「誰だよ。」

「言わない。だって、その人から嫌われてるから…。」

うん…嫌われてるんだ…

だって、他の女子と話してる時はすっごい笑顔なのに、私と話すときは冷たくなる。ほんとに…嫌われてる…。

「夢斗は?好きな人いる?」

「あぁ、いるよ。」

「そうなん…だ…。」

ばか、自分から聞いたくせに好きな人いるって言われて傷つくなっ…!!

「どうした?どこか痛いのか?」

いつのまにか涙目になっていたらしい。
ほんとに、夢斗は優しいよね。

「なんで優しくするの?」

なんで?嫌いなら……

「なんでっ…やさし…く…うぅ…」

「花?おい、大丈夫か?」

「もう、私に優しくしないで。」

「え?なんでだよ。」

「なんででも!もう夢斗なんて知らない!」

あ、違う、こんなこと言いたいんじゃない…

「ちが…「あぁ、そうか。わかった。もういいよ、俺も知らない。」

「夢斗…違うの…」

「何が違うんだ!!!!」

ビクッ

初めての怒鳴ったの聞いた…

「…私は…夢斗のこ…と好きなの…!でも夢斗は私のこと…嫌いなんでしょ?だったらなんで優しくするの?」

「嘘つかなくていい。お前は奏太のことが好きなんだろ?そんなんわかってるって。奏太のことずっと見てるもんな。」

え?なんでそうなるの??

「ちょっと待ってよ、なんでそうなるの?私はずっと夢斗がすきなのに、なんで否定されなきゃいけないの?な…んで……んん…。」

え、キス…され…た?

「なん…で…」

「さっきからなんでなんでってうるさいな…おまえが好きだからに決まってるだろ…。」

それを聞いた瞬間に涙が溢れてきて、止まらなくなった。
そして、夢斗はいっぱいキスを落としてくれた…。