「俺が家にいないと結のことは全部陽がやるもんな?大変だろ?本当は」



「そんなことないよ、全然…そんなことない」



「本当に?俺が夜勤で帰ってこない夜、正直ムカついてたりしないの?」




「そんなこと思う訳ないじゃん…!!」




やっと顔を上げた陽は、ちょっと…泣きそうな顔をしていた。



首もとから手を離して、陽の頭に手を置いた。




「最近寝てるの…?」



頭をポンポンしながら聞くと、よくわからない曖昧な頷きが帰ってきた。



「もう帰りたい……って思ってる?」



「…思ってる」



「いいじゃーん。俺の職場だよ?職場…」



頭をポンポンしていた手で今度は陽の前髪を分ける。



そっと…。



「……病院は好きになれない」



「まぁ……そう…だよな」



もっと泣きそうな顔になっていく陽の頭に手を回して、椅子を寄せてぎゅっと思わず抱きしめた。


「ごめん」



「…な…んで……謝る…の」