「…気分悪そ」 そういって陽の目の前に椅子を寄せて腰をかけると、『大丈夫だよ』と声を漏らして俯いてしまった。 「…俺陽のこと、なーんでもわかっちゃうよ」 「…んなわけ」 そういって笑う陽だけど、声が震えている…のは気のせいじゃないはず。 「陽に頑張らせちゃったかな、俺」 そう言って首元に手をやって、手の甲でそっと触れた。 「そんなこと…ない」