陽と結も寝息を立て始めた頃、部屋から出るとリビングには母さんの姿。
「…あ、陽ちゃんは平気？」
「ん、大丈夫。明日一緒に朝病院連れてく」
「そう…」
「父さん、体調悪いの？」
「あー……」
母さんは辺りを見回してから
「港には言わないでって言われてあるんだけど。お父さん仕事場から早退することが多くなってね。薬は飲んでくれてるんだけど…病院には通わないって」
「…そう、俺に言わないのは何でなの？」
「さぁ…心配かけたくないからじゃないかしら」
「…ふうん。父さん…病院にちゃんと来るように言ってあげて。俺も毎日帰り早い訳じゃないし」
「…わかった」
