──カチャ
「ぎゃああああッ」
「泣かないの~結くん」
結を抱えた父さんが入ってきて、俺の隣に腰をかける。
「ご機嫌だったのにどうしたの~?」
「起きちゃったんですか…?すみません…」
「陽」
「あ…」
「いやいや。ママのこと呼んでるのかな?…こんなところで何をしてんの、港は」
「…心音聴いてただけ。結どうしたの?」
聴診器を抜いてボタンを留めると、陽は結に手を伸ばして抱えた。
「…寂しくなっちゃったかな。陽さんは体調平気?」
「あ…大丈夫です。すみません、心配かけて」
「ううん、……陽さんはまだまだ若いからね、体壊しても再生きくね」
「なに言ってんの…父さん。……父さんこそ体調良くないんじゃなかった?」
「いやいや、俺はね……うん、大丈夫」
そそくさ部屋を後にする父さんに、陽は心配そうな目。