ボタンを数個外して、見上げると陽は不満そうな顔。




「港、患者さんにもこうしてるんでしょ?」





「もちろん」





「港も男だもんね」





「どういう意味だよ」





「…いや、別に」





「言っとくけど、患者さんは患者さんだからな。よくいるんだけど、年頃の女の子で。胸触ったって騒ぐ子」




「それは年頃の女の子だからでしょ…」





「……騒がれたらこっちが困るっての。医者は仕事なんだから何も思ってないのに」





そう呟きながら、小児科の奏太が


『高校生の女の子に胸触られたって騒がれてもこっちはそんなこと思ってねーっての。


『変た~い』って……今の子は想像力がすごいのね』





と不機嫌そうだったのを思い出した。



「……女の子の気持ちもわからなくはないけどな」