寝室へ行くとパジャマに着替えた陽が隅っこで小さくなっていて。
「陽おいで」
「なんで?……あ」
「『あ』じゃない、おいで。早く」
「や、だって…」
首にかかってる聴診器を見つめて、俯いたり顔を上げたりを繰り返す陽。
正座する俺の目の前にゆっくり腰を下ろした陽は、身を小さくして俯く。
「…明日朝俺と一緒に出るか、夜俺が帰るまでまたここにいるのか、どっちがいい?」
「朝…?」
「俺と病院行って、主治医の先生に診てもらうってこと」
「え……それはいい」
「『それは』って……。じゃあ明日もここで休んでる?薬ないけど」
「…港持ってるじゃん」
「俺に頼らないの」
「……はい」
「薬ほしいなら朝出るんだけど。どうすんの?」
「薬なんていらないよ!病院行きたくないし大丈夫」
「…その大丈夫はいつまで保つのか」
「……」
陽の視線は俺の首もとに注がれる。