「開けてみて」
「…ほんとに連絡先だったらどうするですか?」
「さぁ?次回の診察日に何で渡してきたのか聞いてみたら?」
「はは……先生のことが好きだからです、とか言われたら僕どうすればいいんですか?僕にはもうお嫁さんが…」
そう言いながらメモを開いた高島は、メモを閉じて箸を持つ。
「…いただきます」
「え、何?見せて」
「だめです!絶対」
「んだよ、気になるだろ」
「ちょ、蒼先生!!」
「ん?……『先生は赤と青どっちが好きですか?』何これ」
「……連絡…先じゃないですかね」
知らんぷりして箸を進める高島に、笑ってしまって。
「…赤と青?どういうこと」
「……さぁ」
「…ふてくされんなよ、連絡先じゃなかったからって」
「ふ、ふてくされてなんかないですよ!」
「……これ渡してきたの何歳なの?」
「4歳です…」
「バカ。…4歳の子が連絡先渡してくるわけないだろ」
「だって元はと言えば蒼先生が言い出したんじゃないですかぁ」
「んは、4歳だとは思わなかったから」
「…でもこれ可愛い質問ですね」
「答えてやれよな」
「まぁー…次回にでも…」