「あ、玉子焼」



お弁当箱に詰められていた俺の大好きな陽のお手製玉子焼。




一つつまんでちょっと味見……。





「…ん、うま」




「あー!つまみ食いした」





「……。」





洗濯物を干し終えたのか、カゴ片手の陽は俺の手元を指さして睨んでくる。




「いいだろ、一個くらい。味見」





「…いいけど」





「…もう出る?支度できたの?」






「できたよ!ねー、結」




そういって抱き上げた結も、陽を見て嬉しそうに笑う。




「じゃあ家出るか」