モジモジと絵を渡そうか?どうしようか?と悩んでいる櫻と、目をキョトンとさせている和樹。

端から見れば、告白でもしそうな雰囲気。

その様子を見ていた愛瑠や修にまで、櫻の緊張が伝わってくる。

「愛瑠ちゃん?あの二人って何してるの?」

「し~っ!!黙って見てて…………」


櫻が緊張するのも当然。

愛瑠に言われて書いた絵は、二人の結婚式。

サッカーをしている和樹が王冠を被って、指輪をしている不思議な王子様と、ドレスを着た櫻の似顔絵をイメージしたお姫様が仲良く手を繋いでいる絵なのだから。

恥ずかしい…………

やっぱり…………

二人きりの時にそっと渡せば良かった…………

廊下の隅で緊張している櫻を見て、愛瑠は心の中で何度も応援していた。

櫻ちゃんっ!!

頑張ってっ!!