窓からサッカーの様子を見ていた愛瑠が、席へ戻ってきた。

「えっと…………ボールを蹴ってる感じは、こんな感じで…………」

なんて言いながら、席に着いた愛瑠が絵を描き始めた時、櫻の絵をチラッと見る。

「上手じゃーんっ!!お姫様の隣でサッカーしてるのは和樹君?」

「うん…………和樹君に似てないかなぁ…………?」

「似てると思うよ?じゃあお姫様は櫻ちゃんだね?」

「えっ…………」

櫻は咄嗟に思った。

私と和樹君の絵を描いて、愛瑠ちゃんは何も思わないのか?と。

だから慌てて修と愛瑠の絵を描き始めた。

「ここに愛瑠ちゃんがいて、私と手を繋いで、二人がサッカーをし…………ちょっ……ちょっとっ!!」

二人がサッカーをしている所を、見てる絵を描いてるんだよ?と櫻が言おうとした時、愛瑠が消しゴムで、愛瑠と修の絵を消し始めたのだ。