「櫻ちゃんを見てたら、そのぐらい誰でもわかると思うよ?部活中にサッカー部の練習を何度も見てるんだからさ?」

「そうですよね…………」

テニス部に入ったのは、和樹のサッカーの練習が見れるからという理由なのだから、当然何度も和樹を見ていた。

そんな練習中の櫻を見ていた健一は最近、和樹と杏佳が仲が良いのも知っている。

「失恋ってすぐに忘れられないよね…………?幼馴染みだから、好きだった時間も長いし、思い出も多いんだろうし…………」

「はい…………思い出が多すぎて、寂しくて…………」

俯いていた櫻の目が涙で潤んで来た時、健一が頭を優しく撫でてくれた。

「もし良かったらだけど…………俺と付き合ってくれないかな…………?幼馴染みみたいに、今までの思い出はないけど、これから一緒に思い出を作れたらいいなって…………」

「えっ…………」

櫻は突然の告白に驚いて、涙で潤んだ瞳を健一に向けた。