男女に別れてテントで寝る時間。

櫻が女子のテントで寝ようとしていると、はしゃぎ疲れたのか、先にみんなが早々と寝てしまった。

「ん~。寝れないや…………ちょっと外に出よっと…………」

櫻が家で寝る時、一人で静かな部屋にいると、和樹と楽しかった事を思い出し、自分が好かれなかった理由を探したり、付き合いたかったと胸が痛んだして、眠れない日がある。

今日も健一と一緒にいる時に、和樹を何度も思い出したので、寂しくなった櫻はテントの外に出た。

川辺に体育座りで座って、川のせせらぎを聞きながら、ぼんやりと川の流れを眺めていた。

健一先輩って優しいなぁ…………

一緒に肝試しに行けて良かった…………

じゃんけんで健一先輩が負けた時、嫌な予感がしたから…………

櫻は違う男と一緒に肝試しをして、しがみついて嫌がられたり、冷たくされると嫌だと思っていたのである。