「いや~、ごめんヒサ。つい口が滑ってさぁ。俺は止めたんだけど」
「せめてバレないようにしてよ。邪魔しやがって....最悪」
いや違うそういう問題じゃない。
怒るのはそこじゃないぞ。なに言ってるんだ汐見先輩も。
「まず覗き見しないで下さいよ...」
「だって気になるんだよ~。普段無口な汐見がさ、彼女にはデレデレだって言うじゃん。これは見るしかないっしょ~!」
知らんがな。そんなこと言われましても。
だからって野次馬していいわけがない。
そのとき丁度チャイムが鳴って、私は大きくため息をついた。
なんか疲れた。
「....戻りましょう。教室」
「.....キスは?」
「しませんよ!何言ってるんですか!?」
もっと恥じらえよ!ほら!野次馬がニヤニヤしてるだろ!!
「えー....」
「逆になんでこの状況でしようと思えるのかわかりません」
「君以外どうでもいいんだって」
「私はどうでも良くないですからー!」
だいぶいつも通りなやり取りをしていたら、他の二年生たちに笑われた。なにがおかしいんだ。