「....先輩、私の彼氏?」

「そうだよ」

「私、先輩の彼女?」

「うん」

「....まだちょっと信じられないです。でもそうなれてよかったと思います」

「....うん。好きになってくれて、ありがと」


こちらこそ。

あのとき、告白してくれてありがとう。



先輩が、そっと席を立った。

少しずつ顔が近づく。

こつんと、額が私のそれに当たった。



「キスしていい?」



甘い声が、至近距離で耳に届く。

昼休みが終わるまであと二分くらいかなぁ、と頭の片隅で考えた。


でも別にいい。

目の前のこのひとが欲しい。


前に、先輩が私に言ってた言葉を思い出した。


『君が心から僕を欲しいと思ったら、そのときに『友達』をやめればいい』


....うん。

今、思ってるよ。