「やっと、外でテニスができる!」


外で できるし、テンションが、上がる


〝パコーン〟


……あ、ボール、フェンス越えてった


体育館とは、跳ね方がちがうからなぁー


向こうから、遠回りするの



めんどくさい……



フェンスの近くにある、ボール



「奥の手を使うか……」




フェンスには、少し下に隙間がある。



手が、ギリギリ入るぐらいだけど




、、、


あ~、あとちょっと……




「なにしてんのー」



聞き覚えのある声、



でも、今は それどころじゃない!




「ボールとってる」




〝え?〟




そんな感じの声が、聞こえた




その、声の主は もう、どこかにいってしまった。




あ~、もうちょっと



いつの間にか、その フェンスごしに




黒い影




「これ?」




「え?」



この声は、さっきの、、、




って、隼斗




「このボールでしょ?、いくよ」



フェンスから、越えてくる



ボール、



私は、あわてて受け取った。




危なかったー




「えっと、隼斗?」




「ん?」




「なにしてるの?」




「さっき、『なにしてんのー』って、


きいたら、フェンスの向こうの


ボール、頑張って取ってるし?


なんか、手伝いたくなって……」



え?




「しかも、手が その、、、


石に擦れて痛そうだったから……」



え、



そこまで考えてくれてたんだ……



なんか、単純に嬉しい……



「っ、ありがとう。」



「……どういたしまして」



「じゃ!」



「うん、本当にありがと」