「と、とにかく…見なかったことにッッ!」


今は、好奇心が恐怖心になっていた。

もう声も、震えて…。


「ど、どどどどーしよう!こ、こんなの…見なかったことになんて!出来ないよッッ」


私は、彼のことが好きだ。

でももしかしたら。


姉とまちがえて誘拐されたかも。



そう思うと、なんだか悲しくなってしまうんだ…。

私だって、元々彼氏だって居たのに。


それを、全て踏みにじったような。


罪悪感と恐怖心と...悲しみ。



私は、腰が抜けたようにヘナヘナで歩く気力も無かった。


ただ、

ひたすら目で沢山の写真を見つめていた。