ブーーーーーーーーーーーーーーーー

試合終了のブザーの音が鳴り、
俺たちは見事に全国への切符をもらった。

チームメイトの中には『タケシー!見てるかー』と叫ぶやつもいた。

俺は、心の中できっとタケシのおかげだと感じた。
タケシが死んでからみんなはいつもより倍、真剣に練習するようになった。
部活に来るのが遅かったやつもサボっていたやつもみんな真剣に打ち込んでいた。
監督は俺らによく
『タケシの分まで一人一人が頑張れ』とよく言っていた。

「おめでとう」

そういってきたのはタケシの・・・愛していた人竹下さん。

「うん、ありがとう」

俺は、竹下さんのことを最近かわいいと思う。
けれど、竹下さんはタケシのお墓に行ったりして今でも忘れられないようだ。

「タケくん・・・みてたかな?」
「見てるよ・・・きっと、いや、絶対」
「うん、そうだね」





帰りにバスケ部のみんなでタケシのお墓にいった。

綺麗だった。
花がきれいになって、草が一個もはえていない・・・すごい手入れされているというのが伝わってきた。

「綺麗・・・だな」

俺がボソッとつぶやくと、キャプテンが俺に言った。

「今日の、勝利は山本春輝のおかげだっ」
「・・・はぁ?」

「お前が今日の得点の3分の2を決めた。」

え?そんなに?
全然、意識・・・なかったわ。

「あざーーーーーーーーーーーーっす」

キャプテンから・・・いや、ほかの部員からも深々と礼される俺。

なんていえば・・・

その時だった。










『おめでとう、ハル』









頭の中で・・・タケシの声が聞こえた。
タケシ・・・?












『全国に行けるね、頑張ってね』




まただ。
タケシの・・・声が・・・









『もう、俺が生きてたら・・・勝ってなかったぞ、感謝しろっ』






あぁ・・・その通りだ。悪いな・・・タケシ。

『いや、お前は悪くないさ。だって、お前はいつも一生懸命に取り組んでいたじゃん』

・・・タケシ・・・、俺の声が届いているんだな・・・。

『だから、俺はお前がたくさんシュートを決めたのにもキセキとかなんて思ってないよ。』






『お前の努力だよ』




タケシ・・・の声はほかの部員にも伝わっていたみたいで
周りはシンッとなっていた。

あとから、みんなでどういうことを話されたかを聞くと、注意点、良いところ、逆にだめなところ などを個人個人違っていたことがわかった。

タケシは、本当にメガホンを持って天国から応援してくれていたんだ。






そして、俺はいう・・・





``ありがとう``