「タケシっ!大丈夫かっ!?」

次の日、タケシの家に行くとタケシのばあちゃんがいて『タケシは病院に運ばれた』と教えてくれた。そう聞いた俺は、とにかく夢中で走ってやっと、病院についた。

シーン・・・

タケシ・・・の返事はなく、母が泣いていた。

「・・・死んだ・・・?」

「生きてるわよっ!・・・生きてるけど・・・もう・・・」


起きない




・・・早いな。
お前、今日と明日は生きる予定だったじゃん。
何、死のうとしてるんだよ。

俺は悔しみながらも涙をふく。

「タケシが・・・あなた、バスケ部のみんな、家族、彼女に書いた手紙があるの。タケシが天国に行ったら見せるわ・・・けれど、みせたくないものね」

おばさんは泣きながら俺に言う。
泣いている姿からタケシは母親似だと思った。

「大丈夫だって、おばさん」

そういい続けて2時間がたった時・・・



ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



タケシの命が・・・命の火が今消えようとしていた。

「あ・・・」

タケシ?

タケシの顔は来た時よりも白くなっていることに気が付く。
俺は久しぶりにタケシの手を握る。
それでも、タケシは起きてくれなくて悔しかった。

母親が俺に言った。

「なんとしてでも、起こしてっ!」

そう頼まれたらやるしかねぇ!
俺は、タケシの心臓をたたいたり、腹をグーで思いっきり殴ったり、頬をたたく。

「あ・・・」

タケシの肌が赤くなっていていることに俺は気づいた。
命の火がもう一度燃えようとしている。

「タケシっ!起きろよ!」
「タケ!死なないで・・・」

俺とおばさんは必死でタケシを呼んだ。
タケシの心臓は動き始めたものの・・・目は覚まさなかった。

「タケくんっ!」

そこに、タケシの元カノ、竹下さんが来た。

「あっ・・・タケくんっ!タケくんはっ!危ないんですか!?」

タケくん!タケくん と彼女はずっとタケシを呼び続けた。

だが、タケシの火は消えかかろうとしている。
けれど、そのたびにタケシは生きようとしているのが伝わる。
それは・・・0になってもなっても・・・ちゃんと65とかに戻ってくるから・・・。

けれど・・・




「あっ・・・えっと、7月12日・・・午後7時17分・・・死亡しました。」



タケシがいなくなった。
医者が来る頃には・・・もう死んでいて医者も急いで時計を見た。

おばさんも、竹下さんもなく。

俺は・・・なかないからな、タケシ。

俺は、全国にいきたいっていうお前の夢をかなえてから・・・なく。

あと2週間で決まるんだ、引退か、全国か・・・。

「ありがとう、春輝くん」
「おばさんこそ、ありがとう。タケシを生んでくれて・・・」


タケシは実は生まれつき体が弱かったそうで本当は運動をいたらダメだったそうだ。
けど、男なのに運動ができないってなると恥ずかしかったらしく小学校では秘密で体育に出ていて、ドッジボールではぜったいにあたらないようにしていた。

タケシが妙にドッジボールがうまかった理由が分かった。

中学では、さすがに医者に『やめろ』と言われてマネージャーになったそうだ。

「ありがと・・・タケシ」




本当に大好きだったぜ。