山本春輝。
歳は、現在中学3年で彼女は・・・今フった。

「春輝君・・・なんでぇ?」

なんていうんだっけ。こういう髪型・・・えっとツインテール?
・・・ずっと、この質問を繰り返されているが答えは決まっている。

「もう、好きじゃないから」

これ以外にいるだろうか。
ってか、俺がコイツを好きだった時なんてあるのだろうか。

・・・これで、5人目の彼女をフった。

「ハル!部活、いかねーのか?」

上から声がする。

同じ、部活友達の・・・タケシ。仙田 タケシ。

「おぉー、いくいく」
「そっか!待ってるぜー。お前の日直やっといてやるわぁー」
「おぉー、サンキュー!」

・・・いつまで俺はここにいればいんだろうか。

「春輝君・・・マユは春輝君の事大好きだよ?」
「うん。・・・わかったよ」

「えっ!?」

「いい加減、別れてもらわないと俺だって部活したいわけよ。お前の事好きじゃない・・・それ以外にどんな理由がいるわけ?いいよ?いっていいの?」

ポカーン・・・口が開いているマユさん。

「・・・ごめんなさい」

「うん、じゃあね」

「はっ、春輝君ってこれからも呼んでいいかなっ!!」

「うん、じゃあね」

・・・はぁー。
意味わかんねー。
なんで、俺・・・アイツと付き合ってたんだろう。

「ハル、終わった?」
「タケシー俺はお前がいればいいー」

「はははっ!ハル、キモッ!」

タケシは生まれつき体が弱いけど根性は人並み・・・いや、それ以上。
そんなタケシは俺は昔から大好きで、いつも一緒にいた。
タケシは空気の読めるやつだった。

「タケシ、部活いくぜっ!」
「おぉー、お前遅れたから10分ダッシュだな」
「おぇえ・・・吐く。」

タケシは・・・マネージャーだ。
男子バスケ部の。

「ほらほら、最後の年だぞ!・・・」
「おうっ!今年はマジで全国狙うぜ」



「連れてってくれよな」




そう言ったタケシの目はなんだか悲しそうで・・・。
俺は一瞬息をするのを忘れてしまっていた。

「・・・お、おう!」

・・・どうしたんだろう。

「タケシ、綾香ちゃんと最近どーなんだよっ!」

タケシは俺と違って一途で、長い。
彼女はずっとタケシが片思いしていた相手で今は1年以上付き合っている学校でも有名なカップルで、『この2人が手をつないで歩いているのをみたその男女は付き合う』っていうジンクスまでできるくらい広がっていて、俺とマユって女の子は実際にソレを見て付き合った。・・・ちなみにマユさんから。

「ん・・・あぁ、うん」

やっぱり、なんか悲しそうだな。

「タケシーどーした?」
「・・・ハルこそ、10分ダッシュの前にこんな喋ってていいの?」
「おっ、ヤベ。忘れてた。」
「はははっ!だろーな」

タケシ・・・俺は、絶対お前を全国に連れていくからな!






「ありがとーございましたっ!」

練習が終わる。俺も・・・バテバテ。

「ハル、お前シュートの形おかしいわ」
「マジ?」
「おぉ、そのうちどっか怪我するわー」

「監督っ!ハル・・・春輝のシュートの形がおかしいんで直す時間もらっていいですか?・・・終わり次第、鍵を閉めて帰ります。」
「あぁ、鍵は絶対閉めなさい。」
「はい。失礼します」

・・・タケシ?やっぱり、おかしい。

前までは『おかしいー』だけで済んでいたのに、今は付き合ってなおそうとしてくれている。・・・監督も・・・当たり前みたいに。



「・・・な、なおった」
「マジでっ!やった!ありがとうっ!タケシ」
「うんっ!」

・・・どこか悲しい表情。

「タケシ、お前・・・なんかあったわけ?」
「・・・っ、なんで?」

・・・やっぱ、動揺してんじゃん。

「どうしたんだって聞いてんの!思い当たることあるんだろ!?」
「・・・」

・・・なんだよ!次は黙るのかよ!

「タケシッ!」

「・・・言って何になる。お前に解決できる問題じゃねーんだよ・・・じゃあな。」

・・・タケシ・・・が怒った。



次の日



「竹下さん!」

タケシの彼女・・・竹下綾香 にこうなったら聞くしかない。

「あ・・・タケくんの・・・」
「こんにちはっ!」
「どっ、どうも・・・」

・・・この子もなんかありそーだなって思うな。

「・・・俺さ、タケシのことなんもわかってなかったのかなぁ・・・」

アレ?俺、おかしいこと言ってないか?
こんな事言いに来たんだっけな?

「俺は、タケシと仲良くなかったのかもな~」

なんでだろう。
そんな事言いに来たんじゃないのに・・・止まらなくて。

「タケシがさ・・・」

「タケくんとは・・・別れましたっ・・・」


「え?」


「えっと、言えないくてごめんなさいっ!理由は言えないです!すいません」


・・・ん?
それでか?タケシがおかしかったのかソレか!?

おおおお!
分かったぞっ!タケシ!!!

「でも・・・あなたがタケくんの事分かってないようにはみえないかな・・・タケくんといると何気にいつもあなたがでてくるし・・・」

・・・タケシ、俺の話してたのか。

「タケくんが私とつき合うまでの相談相手も・・・あなただって聞いたんです」

・・・そっか、タケシ!

「・・・大切だからこそ、言いたくなかったこともあるんです。・・・私は多分、あなたに勝てなかったんでしょうね・・・えへへ」

・・・言いたくないこともある?勝てなかった?
ん?何の話・・・だ?

「あっ、ごめんなさいっ!次、移動教室なの」
「いや、俺こそ・・・」

周りでは、『カッコイイー』って俺をほめてくれる女子の声。
でも、そんなんもん今はどうでもいいって思えるくらい・・・

タケシが謎なんだ。