嵐は微笑んだ。菜々も・・・。

赤面しているのは私・・・だけ?



「・・・俺も、茜が小さいころから大好き。」

昔、嵐が言ってたっけ。

『ふーん、じゃあ俺は茜にソコで告白する!』

本当に実現されたよ。
・・・本当、嵐はすごい。

「これで、森山は次のテスト一位だね。」
「おう!ってかお前邪魔だぞ?けーわいってやつ?」
「はぁああ!?ココに連れて来てやったのは誰だよ!・・・っつても
 確かに今、あたし邪魔だわ。お二人さん、私は退室するから鍵閉めてよ」

菜々が空気をよんでくれた・・・のはありがたいけど
さすがに緊張する。

でも、ココにいたいって心では思ってる。
逃げたいなんて全然1%も思ってない。

カチャ

・・・鍵を閉めたのは、嵐。

「・・・茜、俺が昔・・・言ってたこと覚えてる?」

昔、言ってたって・・・いっぱい喋ってるから分からない・・・けど
もしこの場所が関係あるなら・・・

「『ふーん、じゃあ俺は茜にソコで告白する!』てきなの?」

「うん、当たってる。」

アレ?あてちゃった。

「俺さ、茜が好きだから。幸せにできる。
 ・・・デートしようよ!今度の日曜日にでもさ」
「え、何?公園で?小さいころ見たいに?」
「ハハハ、それも良い案ですね~他には?」
「え~、嵐もなんかないの?」

「ん?いいの?言っても」
「?どうぞ?」










「キスしたい」









「!?」
さすがに恥ずかしい事を言ってくる。

「今、出来るよ。」

そして、まさかの今!?なぅ!?
しかもさ・・・今、デートの話じゃなかった!?

「俺、ファーストだわ」
「私もだよ・・・」


嵐の顔が近付いてくる。
でも、全然嫌じゃないし怖くもない。
もちろん、逃げたとも思ってない。

ふにっ

柔らかい嵐の口が私の唇にあたる。


私はその日初めてのキスを大好きな人としました。




キスが終わって顔が離れる。
さすがに恥ずかしい・・・というのは嵐も同じようで2人とも
顔が赤面している。

「泣いてるの?茜」
「へ?」

本当だ、泣いている。

そうだ、嵐に会えて・・・喋れて・・・
付き合えたから・・・なのかな。

「そうみたいだね・・・自分でもビックリだよ」

嵐は、ハハと笑いつつも私を優しい目で見てくれていた。
幼く純粋な頃とは全く変わらず・・・。

「茜ー俺、茜がいればもう全然良いや!人生、生きたって感じ。」
「え?何言ってるのさ・・・ばーか。」
「ん?君こそ何を言ってるの?次のテストで勝負するかい?」

「いいです。」

バカみたいな会話だけど今の私には幸せな時間。
たった1分にも満たない会話は私を幸せの時間につれていっているように感じて。
他愛もない会話がこんなに幸せだと感じたのはいつ以来だろう。
高校に入って菜々と出会い、菜々と他愛もない会話をして・・・

自分は1人ではない と確信し、

それでも、自分の好きな人も私のことが好きという世界の方が
とても輝いて見える。

綺麗な青空はあの時私に『笑って』と言っているように感じた。

今は、違う。

好きな人と過ごす時間の良い背景を作ってくれたように思える。

私は、大好きな嵐と過ごせる事に感謝した。




諦めない という心を持った人がいるともしらずに、
私達は、もう1度キスをして大の字で寝転がって・・・。

「先生にどんな説教されるのかな・・・」
「ハハハ、確かにね」

今を幸せに過ごしたいから・・・。