本当の事を知った日から一週間くらいたった日。珍しい人から家に電話があった。

遊びに行っていい？
そんな電話だった。
本当の事を知って、嬉しくなっていた私は二つ返事で約束した。


ただ話をして、テレビを一緒に見てトランプをして、地味な事ばかりしても、わたしの心は晴れていた。

そろそろ帰るね
そう言った かの を見送りに玄関に行く。

かのの質問に言葉に私は恐怖を抱いた。

｢
かの、部活の先輩がかののこと、そろそろ帰るねとか、スカート丈短いっていう理由で結構話してて……だから、気を付けてね？｣

かのが私の言葉に振り返った。
｢綾が先輩に言ったんじゃない？｣

一瞬何も言えなくなった。
心臓がはねたのがわかった。それこそ、音が聞こえるんじゃないかと思うほどに。

｢違う。違うから。そんなこと言ってない。｣

無様にも、それしか言えなかった。
かのの悲しそうな、しんどそうな顔が何も言わず目の前から無くなっても、あの表情は忘れられない。